おしえて先生

ドンナ・マンマでお馴染みの教えて先生のコーナーでは、毎号子育てのお悩みについて解答を頂いています。これまでも「保育園に通うようになって、言葉遣いが悪くなった」や「園の先生との関わり方」など、通いだしてからのお悩みもたくさんありました。皆さんも子育てについて悩まれたときには、具体的にお悩みを書いて、ドンナ・マンマ編集部「教えて先生」係へメッセージをください。 例えば、以前あったこんなこと。入園へのお悩みと同じ「 人の輪に入れない(2歳の男の子)」への回答です。




  二歳時代の子どもは「あばれんぼうの二歳児」と言われるほど、全身運動が大好きです。また、反抗期といわれる時期でもあり、お母さんたちは、天使のようだった赤ちゃんの頃を思い出し、「どうしてなの?」と嘆きます。
  指先はまだ不器用ですが、思い通りに動かせるようになった体を動かしたくてうずうずしていますから、このエネルギーを適度に発散させて、気分を安定させることで抵抗を少し抑えることも可能になるでしょう。
  うちの中では「こんなに元気なんだから、そろそろお友達を」と公園に連れて行ったり、同世代の子どもをもつお宅に連れて行ったりしても、お母さんの背後に隠れ、友達の輪に入らなかったり、やっと遊び始めたかと思うと、いざこざやけんかを起こしてしまい、お母さんを悩ませたりします。
  でも、それが二歳児の普通の姿なのです。お母さんとの遊びには少々物足りなくなり、友達への関心は高まっていても、交渉はまだまだ無理なのです。
  二歳児の遊びは圧倒的に一人遊びが多いのが普通です。零歳期から一緒に生活してきた保育園の二歳児たちは、保育者や年長児がリードすれば、数人での遊びも不可能ではありませんが、リードしているものが離れると遊びが継続しません。
  零歳期から入園した子どもが、二歳前後から仲間遊びに入れるようになるのは、性格にもよりますが、誘い上手な少し年齢の高い仲間がいる場合でも三ヵ月~六ヵ月かかります。
  性別による固定的な役割分担意識を植えつけることのないよう、保育の中で気をつけていますが、生まれつきの性差によるものか、あるいは生まれた後の性差に対するまわりの期待によるものかは定かではありませんが、どちらかというと、女児のほうが仲間入りが早いというのが保育者たちの感想です。
  二歳児の友達との関わりはようやく「ふたば」の芽が出たところです。引っ込み思案の子どもを性急に仲間入りさせようと促したり、無理に誘ったりしないで、同世代の子どもがいる場所に連れだし、遊んでいる姿をお母さんと一緒に見て楽しむことから始めるとよいでしょう。
  お母さんがそばにいて、他の子どもの遊びを見ていると相互の交流はなくても、それぞれ勝手に好きに遊び始めます。これを平行遊びといいますが、決して相手を無視しているのではなく、相手の存在が刺激になっているのです。
  友達関係ができる前に、お互いを観察し、こんな子どもだなと認識し、やがて理解しあっていこうとする準備期間があることに心当たりはありませんか。見つめあったり、微笑みあったり、ちょっと体に触ってみたり、時には叩いたり突き飛ばしたり、「ああ、そういえば」と思うお母さんもいらっしゃるでしょう。
  安全が損なわれる場合は注意が必要ですが、べそをかく子どもに「弱虫ね」とか、乱暴をする子どもに「悪い子ね」など、きめつけたり否定的な叱り方をしないようにしたいもの。
  最後に、この年齢では、やはりお母さん以外の人や同世代の子どもへの関心は持たせたいものですね。そのためには、お母さんも積極的に出会いの機会を求めるとよいでしょう。
  公園だけでなく、最近ではどこの園でも「遊びにいらっしゃい」など、園庭開放や子育てプログラムを準備していますから、自分から情報を積極的にキャッチして一緒に出かけてみてください。すてきな子育て仲間との出会いもありますよ。
  専業で子育てなさっているのであれば、保育園のリフレッシュ一時保育を時々利用したり、前述のチャンスを利用して、正式入園は三歳になってからでもよいと思います。一緒に過ごせる期間は、人生八十年の中のほんのわずかな期間なのですから、しっかりこの期間を楽しんでください。


 

 
 

1946年、京都女子専門学校保育科を卒業後、光沢寺保育園に入職。以後一貫して乳幼児保育に従事。現在、光沢寺第二保育園園長。北九州市保育所連盟会長、国際婦人開発基金(ユニフェム)日本国内委員会北九州地域等委員会会長、財団法人アジア女性交流研究フォーラム理事、同児童福祉施設等第三者評価委員会・同社会福祉審議会各委員等(以上、現職)。この間、全国社会福祉協議会全国保育士会会長、福岡県保育協議会会長・同保育士会会長、福岡県立大学・西南女学院短期大学非常勤講師等を務める。


●仲間達への定期便(西部読売開発出版部)
●育てよう、いきいきっ子(共著、蒼丘書林)
●子どもと環境(共著、蒼丘書林)
●感性を育てる保育実践領域環境と感性(共著、ミネルヴァ書房)
●感性を育てる保育実践領域人間関係と感性(共著、ミネルヴァ書房)
●感性を育てる保育実践領域言葉と感性(共著、ミネルヴァ書房)
●保育園の窓辺から…(蒼丘書林)
●視点はいつも、子どもたち 保育園の窓辺から…PART2(蒼丘書林)



 

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