おしえて先生

他の子のものばかり欲しがる
2歳の娘です。とにかく、なんでも人のものを欲しがります。近所に仲良しのお友だちがいるのですが、遊ぶたびに必ずトラブルが起ります。例え同じおもちゃやお菓子でも、他の子のものを欲しがり、取り上げる始末で、何度言い聞かせても効果がありません。だんだんお友だちからも○○ちゃんと遊ぶのヤダ」と言われてしまい、私も他の子と遊ばせるのが苦痛になってきました。幼稚園に入園するまであと2年あるのですが、ゆううつです。どのようにすれば、上手に貸し借りができるようになるのか、仲良くお友だちと遊ぶことができるのか悩んでいます。

-今回の教えて先生は、再掲載となります。-

A

  それぞれの育ちの節目毎にママの悩みは絶えませんね。
  最初に申し上げたいのは、あまり神経質に悩まないで。それが2歳児の所有観の特徴なのですから!ということです。
  1歳になると大体自分のものが解るようになります。ところが2歳児の特徴として、自分の所有権は大切にしようとする反面、相手の所有権については考えもしないというところがあるのです。
  しかも、大人の保護をはらいのけ、自分の思いを主張する時、友だちへの関心が高まっても、うまく交渉できないのがこの時期の特徴です。「自分のものは自分のもの、他人のものは自分のもの」という言葉がありますがこんな利己的な考え方をするのが2歳時代と思っていただくと少しはママの不安もやわらぐのではないでしょうか。
  「おや、珍しいもの持っている。欲しいなア」という純粋な欲望を率直に表したり、同じものでも人が持っているものの方がよくみえたりするものです。「隣りの芝生はよく見える」のは大人にもあることです。
  取ったり取られたりしながら3歳前後になると、自分と同じように他者のものを尊重するようになっていきます。
  しかし、最近は大人になっても、自他のものの区別のつかない無神経な人が、職場でトラブルを起こしていることも聞きますのでやがて社会人になる2歳児にも、年令にふさわしいしつけはしておきたいですね。
  いくら言い聞かせても効き目がないことを嘆いていらっしゃいますが「駐日でしょう。幾度言ったら解るの」と強く叱ってもこの年令の子どもは、その場限りで次の場面では忘れてしまって又同じことをくり返します。これは2歳児の親の共通の嘆きなのです。
  出発点は、まず家族の聞で各々の所有をはっきりさせるところから始めたいものです。自分のものをはっきりさせ、人のものを使わないというしつけをしっかり徹底させましょう。借りたい時は「パパのを貸して」とか、ママのみているチャンネルを「変えてもいい?」等のけじめを少しずつつけていくとよいでしょう。
  言い聞かせる時は「あなたのはこれでしょう、それは誰のかしら」「あなたのおもちゃを取られたらどんな気持がするかしら」等自分を中心に同じ気持を思い起こさせて、他人の気持を理解させ「あなたのはどれ?」と所有物を確認し友だちの所有物に気づかせ「じゃあ、これは返してあげましょう」と自分の手で返すようにさせたいですね。
  気持がこじれてしまった時は、子どもと同じレベルで、頑固に意地をはらないよう、「じゃ今日はママが返してあげようね」と、あっさり引き下がり、次に同じ状況が発生した時は「今日はごめんねと言えるよね」と後ろから支えてあげるなど工夫してみてください。また、時の経過と共に、少しずつお子さんがお友だちのものを欲しがるのをがまんする様子が見られる時は「とても立派よ。よくがまんができたのね。ママうれしいわ」等としっかり認めてあげると、それが、がまんできたという自信につながっていくと思います。3歳頃には、こんな問題はかなり少なくなっていくはずですから二年先の幼稚園入園などのあれこれを取り越し苦労をしてお悩みにならず、どんどん遊びの場に連れ出して極力慣れさせてください。
  けんかはお互いさまと、ママ同士の明るいおつき合いを心がけたいですね。

 

 
 

1946年、京都女子専門学校保育科を卒業後、光沢寺保育園に入職。以後一貫して乳幼児保育に従事。現在、光沢寺第二保育園園長。北九州市保育所連盟会長、国際婦人開発基金(ユニフェム)日本国内委員会北九州地域等委員会会長、財団法人アジア女性交流研究フォーラム理事、同児童福祉施設等第三者評価委員会・同社会福祉審議会各委員等(以上、現職)。この間、全国社会福祉協議会全国保育士会会長、福岡県保育協議会会長・同保育士会会長、福岡県立大学・西南女学院短期大学非常勤講師等を務める。


●仲間達への定期便(西部読売開発出版部)
●育てよう、いきいきっ子(共著、蒼丘書林)
●子どもと環境(共著、蒼丘書林)
●感性を育てる保育実践領域環境と感性(共著、ミネルヴァ書房)
●感性を育てる保育実践領域人間関係と感性(共著、ミネルヴァ書房)
●感性を育てる保育実践領域言葉と感性(共著、ミネルヴァ書房)
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