おしえて先生

もうすぐ三歳になる息子がいます。うちの子は、スーパーなどに行くと、嬉しくて走り回るタイプです。そのたびに、追っかけて叱っています。その上、マンションに住んでいるのですが、その駐車場でも、とにかく走ります。マンションの一階で、子連れのお母さん達と話す機会もあるのですが、よその親子を見ていると、ほったらかしにされているのを見かけます。それだけ、お利口なんだろうなとも思いますが、悪いことをしても叱らないママも多いんです。聞くと「叱らない育児」をしているんだとか。叱らない育児ってなんですか?私は、叱ってばっかりで、本当に疲れてしまいます。

A

  「子どもを叱る」という時、二つのタイプのお母さんを比較した心理学研究があります。どちらもママが電話をしているときに子どもが騒いでいる場面です。Aのママは、「Shut up!(うるさい黙れ!)」で子どもを静かにさせるのですが、Bのママは、「ママが電話しているときにあなたが騒ぐと向こうの人の声が聞こえませんよ。静かにしてちょうだい。」と子どもが理解できる言葉で説明し、悟し、子どもが自分で静かにしようとするようにします。
この2つの叱り方で、どちらも子どもは静かにするでしょうが、子どもに入る情報として考えると、Aは1つの言葉だけですが、Bは様々な言葉で考えるチャンスがあります。また、Aは「うるさい」の一言で静かにさせられていますが、Bはママの説明から自分で考えて、主体的に行動をコントロールします。そのような状況が1週間、1カ月、1年と続いたら、一体どうなるかは既にママもおわかりですよね。「叱り方の工夫」や「叱らない育児」って、まずママが一呼吸おいて、どうしたら子どもが理解できるかを考え、子どもにわかる言葉で伝え、子どもが自らやろうとするようにすることではないでしょうか。
  もうすぐ三歳になるのに、スーパーやマンションの駐車場などで走り回るタイプのお子さんだと言うことですが、公共の場所や大勢の人が集まる場所、危険な場所などで子どもが走り回ってはいけないことをお子さんのわかる言葉できちんと説明していらっしゃるでしょうか?ただ「だめでしょ!」「また走って!」と言う叱り方ばかりでは、子どもが納得できる「なぜ走っては駄目なのか」の理由が入っていないですね。「どうしてダメだと思う?」と一緒に考える機会も必要かもしれませんね。
  そして、「やる気」が最も大切です。ママから言われたことを「あっ、そうだった!」「ちゃんと守ろう」と主体的になるには本人の"やる気"が必要です。そのやる気は、周囲の大人(特にママやそれに代わる方)に認められた時、受容された時に起こります。大人だってそうですが、否定されたり、拒否されたりしている時には、やる気は起こらないでしょう。ですから、スーパーに行ったときにお子さんがちょっとでも落ち着いて行動していたら、「すごいね!」「一緒にお買い物が出来るね!」「ママ嬉しいな。」などとよい行動を認める言葉が、やる気をどんどん引き出してくれますよ。私自身もそんなことが再三あって気づかされますが、大人は気になる行動はよく指摘しがちですが、よい行動はそれが当たり前で、そこに注目して認めることをつい見落としてしまいがちです。気をつけたいですね。
  最後に、同じマンションのママ友さん達が、『ちっとも叱らない』し、『ほったらかし』に見えるということですが、ご質問のママが上手に子どもに伝える姿を見て、ママ友さん方にも必ず気づきが生まれてくると信じています。
  どうか、あせらず、あきらめず、子どもが自分で考えて行動できるように、ママもゆとりをもって「素敵な子育て」を続けてみてくださいね。

 

 
 

1985年:日本保育学会会員
1995年3月:福岡教育大学大学院教育学研究科学校教育専攻 修士課程修了(教育学修士)
1995年9月:近畿大学九州短期大学通信教育部 非常勤講師
1998年4月:麻生医療福祉専門学校 非常勤講師
1999年4月:北九州市保育所連盟保育士会「応答的保育研修」指導講師
2001年4月:光沢寺中井幼稚園 副園長、光沢寺保育園子育て支援センター アドバイザー
2002年9月:福岡県立大学 非常勤講師
2003年5月:北九州市社会福祉研修所、「乳幼児保育講座」「中堅研修」指導講師
2005年4月:西南女学院大学短期大学部 非常勤講師


 

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