おしえて先生

TVに頼ってしまう…(2歳男の子)
忙しいときなど、気が付くと、子どもにしょっちゅうテレビ(DVD)を見せています。あまり良くないとはわかっていますが、子どもも見たがることもあり、ついテレビに頼ってしまいます。二歳の息子まで、映画の台詞を長々と言えるほどです。やはり、この生活から脱却した方がいいですか?良い方法はあるのでしょうか?




  現代社会、パパが忙しくママが一人で育児に頑張っている家庭がほとんどかもしれませんね。そんな大変な中で、ママ自身「本当は良くないのかもしれない」と思いながらもテレビ・DVDに長時間子どもを任せてしまい、その結果、ご相談のママのように、専門家から発せられる「言葉の発達が遅れる」「社会性が上手く育たない」「肥満傾向に陥る」などの警告に不安が募り、「じゃあどうしたらいいの?」と悩み、混乱していらっしゃる方は意外と多いと思います。
  アメリカや日本の小児科医会が「二歳以下の子どもにテレビやビデオを見せないようにしよう」という勧告を出しています。確かに、三歳になるまではストーリーを理解すると言うよりは、音と光の刺激を浴び続けるだけでしょうから、二歳以下の子どもの長時間視聴はよくないでしょうね。また、幼稚園に入園して間もない頃「落ち着かない」「お友達と上手く遊べない」「保育者の言葉を理解して行動に移せない」などの特徴を持つ子どもたちの家庭にお尋ねすると、共通してメディアとの接触時間が「五〜六時間」という事例もありますから、やはり二歳以下の子どもたちには、長時間視聴は良くないと思います。
  一日二十四時間のうち、睡眠時間、入浴、授乳など生活に必要な時間をのぞくと、自由になる時間は五時間位なのだそうです。その五時間をずっとテレビやDVDの視聴に取られては、子どもたちが人とコミュニケーションをとったり、体を動かしたりする充分な時間がなくなってしまうでしょう。
  人は、お互いに関わり合いながら発達していきます。子どもが示す様々な行動や言葉、そして欲求に、おとなが適切に応答することで、子どもの成長・発達が促されます。しかし、テレビ・DVDやiPhoneなどは、子どもの行動に応じた反応は返してくれません。でも、ママやパパがテレビの横で、「楽しいね。」「すごいね。」「あれは○○よ。」などと話しながら一緒に見ることで、言葉の発達が促されるという研究結果もあります。
  ここに面白い報告があります。専門家からのメディアに関する警告に反応するママのタイプは、①研究者や専門家の意見に敏感に反応する。②警告は警告と受けとめながら自分の考えで判断する。③全く関心を示さない。の三つに分けられるのだそうです。私は、沢山の情報が溢れる時代だからこそ、②の「警告は警告と受けとめながら自分の考えで判断すること」が、大切だと思います。つまり、おとなが「メディアとの上手なつき合い方」を学び、それぞれの家庭でメディアとのつき合い方のルールを決めて、実践することが必要だと思うのです。
  例えば、「食事の時には必ずテレビは消す。」「見たい番組が終わったら、スイッチを切る。」「一日だいたい一番組くらいの視聴を目安にする。」など一日の生活のバランスを親が図り、家庭での決まりを作ることが大切なのではないでしょうか?   さて、最後のご質問、良い方法はあるのでしょうか?ですが、まず一度お宅の生活のバランスを見直してみることから始められてはいかがでしょうか?「テレビを消す」という習慣が出来たら、ママも家事をしながら一緒に歌をうたったり、洗濯物を一緒に干したりたたんだりして(2歳なら出来ると思いますよ!)、生活の中での過ごし方に工夫をこらし、素敵な時間が増えることを願っています。


 

 
 

1985年:日本保育学会会員
1995年3月:福岡教育大学大学院教育学研究科学校教育専攻 修士課程修了(教育学修士)
1995年9月:近畿大学九州短期大学通信教育部 非常勤講師
1998年4月:麻生医療福祉専門学校 非常勤講師
1999年4月:北九州市保育所連盟保育士会「応答的保育研修」指導講師
2001年4月:光沢寺中井幼稚園 副園長、光沢寺保育園子育て支援センター アドバイザー
2002年9月:福岡県立大学 非常勤講師
2003年5月:北九州市社会福祉研修所、「乳幼児保育講座」「中堅研修」指導講師
2005年4月:西南女学院大学短期大学部 非常勤講師
2011年4月:光沢寺中井幼稚園園長


 

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